SEO対策において、どんな記事をどんな人に読んでほしいかを決める「キーワード選定」は、効果を高めるために必要な作業といえます。ですが、担当者の中には「キーワード選定のやり方ってこれで合っているのかな?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、SEOにおいて重要なキーワード選定の方法とポイントについてご紹介します。どうやって選べばいいのか悩んでいるSEO担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
キーワード選定とは
SEO対策におけるキーワード選定とは、記事コンテンツのテーマとなるもので「ユーザーに検索してもらいたいキーワードを決めること」を指します。
ここで決めるキーワードは「ユーザーが悩んでいること」でもあります。悩みを解消できる記事を制作することで、検索順位を上げることにつながります。
逆に、キーワードを決めずに制作してしまうと、競合が強すぎて検索順位を上げることができなかったり、検索ボリュームが少なすぎて検索されない、という制作側が予想していなかった状態になってしまう可能性があります。
SEOの効果を高めるためには、制作に着手する前に「どんな悩みを抱えているユーザーに、どんな情報を届けたいか」を明確にするキーワード選定を行う必要があります。
キーワード選定の手順
では、実際にキーワード選定をおこなうにあたって、大まかな手順をご紹介します。
狙うべきキーワードの方向性を考える
キーワードを選定するためには、
・どんなサービスを展開しているのか
・どんな顧客層をターゲットにしているのか
など、自社のサービスや顧客層などについてしっかり把握しておく必要があります。自社のビジネス内容と、どういったニーズがあるのかを理解しなければ、思った通りの結果が出ない可能性が高くなってしまいます。
ツールを使って候補キーワードをたくさん出す
自社のビジネス内容とニーズを把握したら、ニーズに関連するキーワードを集めてみましょう。
キーワードを集める方法としては、
・自社ビジネスに関連する資料を参考にする
・goodkeywordやキーワードプランナー、ミエルカといったツールを使用して関連キーワード(サジェストワード)を出す
・ペルソナやターゲットから心理を抽出する
といった方法が挙げられます。最初は手当たり次第キーワードを集めて、のちほどキーワードごとにカテゴリ分けする、といった流れがおすすめです。
ユーザーや専門家にヒアリングする
先ほどツールを使用して関連ワードを出すことを紹介しましたが、ツールを使ってキーワードを出しただけではまだまだ十分とは言えません。自社の営業担当者やサービスを利用してくれているユーザー、自社のビジネスと密接に関わっている業界の専門家などにヒアリングをすることも重要です。
ツールを使用して機械的に調べるだけではわからない「生の声」を参考にしてキーワード選定を行うことで、他社がマネすることが難しい独自の切り口を発見することができます。
検索ボリューム・競合性を調査して優先順位を決める
ツールやヒアリングを行ってある程度キーワードをあげたら、最後に検索ボリュームや競合性を調査してどのキーワードにするか優先順位を決めましょう。
ですが、必ずしも検索ボリュームが大きかったり、自社の売り上げにつながりそうなキーワードが良いというわけではありません。「読者のニーズ」・「自社のセールスポイント」・「検索されやすい言葉かどうか」を検討し、どの要素も満たすであろうキーワードを優先して記事コンテンツを制作していくことが重要です。
キーワードをカテゴリ分けする
ピックアップしたキーワードがたくさんある場合は、情報のニーズごとにカテゴリ分けしておくことをおすすめします。
カテゴリ分けすることによって、狙いたいキーワードの抜け漏れの防止になる、記事の内容が似通ってしまうキーワードを回避することができる、カテゴリごとの強みと弱みを把握することができ、優先順位をつけやすくなる、などといったメリットがあるため、時間に余裕があったらぜひカテゴリ分けをしておきましょう。
キーワード選定する際のポイント
キーワード選定をするにあたって意識しておきたいポイントもご紹介します。
キーワード選定の目的をハッキリさせておく
いきなり「キーワードをたくさん出そう!」と思っても、何を目的としてキーワードを出すのかを決めないと選ぶべきキーワードは出てきません。
なぜキーワードを出すのか、自社のビジネス内容やユーザーのニーズは理解できているか、自分自身や社内の人間が納得するような仮説を持ってキーワード選定ができているか、という点が固まっていないと、キーワード選定は難航してしまうことが多いです。
これらのことがまだハッキリしていないという方は、しっかり検討してからキーワード選定を行いましょう。
キーワードは管理する
さきほどキーワードをカテゴリ分けすることがおすすめだと解説しましたが、選び出したキーワードをエクセルなどで管理しておくと後々のキーワード選定に便利です。
例えば、管理をする際に
・キーワード名
・キーワードの検索ボリューム
・記事の公開日
・記事のURL
・関連ワード(サジェストワード)
・共起語
などをまとめておくと、過去にどんな方向性でキーワード選定をしていたかがわかります。
これから対策するべきキーワードを見つけやすくなるので、キーワード選定において便利なツールとなるでしょう。
キーワードの検索順位を日々調べておく
「キーワードを選定して記事コンテンツを公開したら、それでおしまい」というわけではありません。キーワード選定をして制作した記事コンテンツは、公開した後も検索順位を調べておきましょう。
例えば、数ヶ月たっても検索順位が上がらない時は、リライトをしたり、関連キーワードで新しい記事コンテンツを制作するなどの対応が必要な可能性があります。キーワード選定を行ってSEOの効果を高めるためには、継続的にコンテンツをチェックしておくことも重要です。
メディアの立場を考えたキーワード選定を
SEO対策を行って検索順位の上位を狙うためには、ユーザーが検索するキーワードに応じた的確な回答を記事コンテンツで表示しないといけません。そして、キーワードの選定方法について何が正しいのかは「自社のビジネスをどんな人に知ってもらいたいのか」によって変わります。つまり、自社が狙っているターゲットとペルソナ像をハッキリさせることが重要です。
また、今はE-A-T(※1)が評価基準として重要視されているので、自社のサイトから配信するべき記事コンテンツではないものはSEOで評価されづらくなっている傾向があります。
例えば、「風邪薬一覧」というキーワードについては、専門領域の組織が発信するべき情報といえます。そのため、関係のない組織が発信した記事コンテンツには信頼性が乏しく、上位を狙うには難しい傾向にあります。
自社のビジネス内容やメディアの方向性を考えつつ、どんな人に見てもらいたいかを踏まえてキーワード選定を行いましょう。
※1 E-A-T:Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つの概念の略。Googleの「検索品質評価ガイドライン」で示されているWebサイト評価基準の一つ。