採用系オウンドメディアを立ち上げて人材採用に活用している企業が増えています。しかし、他社が取り組んでいるからといって真似しても、どのようなメディアにしていきたいか、運用やコンテンツ制作はどう進めるか、どうしたら魅力的に見えるか、など考えて運用しなければ、思うように効果を感じられないでしょう。
今回は、採用オウンドメディアの成功事例に興味・関心がある人事の方や経営層向けに、参考にしておきたい企業6社についてご紹介いたします。
① Sansan
Sansanは法人向け名刺管理サービスの事業を行う会社です。
採用メディアの冒頭に設置したスタイリッシュな動画によって、「名刺を管理する」という印象から「人との出会い」「イノベーションを生み出す」など、好印象を持ってもらいやすくなったようです。
会社の魅力や事業のミッションを話した際にもポジティブかつスムーズに受け取ってもらえるようになり、第一次選考に進む学生の率は以前よりも15%上昇しています。
動画コンテンツはテキストが続く記事よりもメリハリがつけやすく、ビジュアルのイメージでブランディングもしやすいです。ただ、目的は求職者へ向けたメディアを作ることなので、絶対的な効果があるとは限りません。使い方次第というところもあります。
参照記事:BUSINESS INSIDER JAPAN 1分半の動画で、応募者に思いを届ける ── Sansanがいま一番伝えたいこととは
② ナイルのかだん
ナイルはデジタルマーケティングやスマートフォンメディア事業を行う会社です。
就職・転職希望者が抱える不安で多いのが、どんな人が働いているのかもわかりづらいということです。
そこで参考になるのが、自社のありのままの姿を発信しているナイルの「ナイルのかだん」。
記事コンテンツは社員のインタビュー記事や現場の声を拾っているものが多いのでどういう人たちが働いているのかひと目で伝わり安心できます。
また、メディア名「ナイルのかだん」のひらがなや丸みを帯びたフォントから伝わるやわらかさ。シンプルかつフラットなデザイン、主張しすぎないカラフルな配色は、親しみやすさを感じます。「生のナイル」というコンセプトのもと、ありのままを発信し求職者との距離を縮められているのでしょう。カテゴリも多く、求職者が抱えるニーズに対して細かく分岐できるようにしています。
③ Gunosiru
キュレーションサービスやニュース配信アプリの運営・開発を行う株式会社Gunosy。
採用オウンドメディアを作ることによって、これまで事業部ごとに作っていた採用メッセージや訴求イメージがオウンドメディア内で統一され、会社としてのブランディングにつなげることに成功しています。採用オウンドメディアで社員にフォーカスしたり、日ごろのイベントの様子を掲載することで、会社のイメージを正確に伝えられるようになったようです。
参照記事:開始からたった半年。採用PRがもたらした、社内外への思わぬ効果──株式会社Gunosy
④ mercan(メルカン)
フリマアプリのサービスを運営する株式会社メルカリ。
採用オウンドメディア「メルカン」は、新人事制度や社内の様子がわかるコンテンツを毎日更新し、会社で起きていることや部署の取組みについてほぼリアルタイムで発信しています。急成長にあわせて従業員数が増加したメルカリですが、「メルカン」を読めば今の社内がわかるため、社内コミュニケーションの良い潤滑油になったとともに、より価値観の近い人材の採用にも役立ったようです。
また、外国人向けの英文コンテンツも充実し、メディアからグローバル化の雰囲気が伝わってきます。
参照記事:BUSINESS INSIDER JAPAN 「メルカン」はメルカリのカルチャーそのもの ── 理想の採用に貢献するオウンドメディアのあり方とは
⑤ LINE HR BLOG
LINEの「LINE HR BLOG」は、世の中の採用オウンドメディアのなかでも飛び抜けて社員のワークスタイルや活躍、人となりの紹介を徹底しているメディアです。
登場する社員数がとにかく多く、まんべんなくなく色々なスタッフにスポットが当てられています。そのため、応募者にとってはどんな人が働いているのかこのメディアを見るだけですぐに理解できるので、「実際に就職してみないとわからない」という不安もなく応募することができます。
対談形式のインタビュー記事やイベント情報のみの掲載、個人ブログのようなフラットさがある記事が混在していて、2012年9月から始めているので継続的な運用、情報発信をする姿勢に熱意を感じます。
⑥ ベイジの日報
ベイジは一風変わったオウンドメディアを運営しています。
「ベイジの日報」というその名のとおり、もともと社員たちが社内向けに書いた日報のなかから公開できるものを選んで数日ごとに更新しています。日報といっても進捗報告などを行うタイプのものではなく、各自が思ったこと感じたことを自由に書くスタイルです。個人ブログのような雰囲気ですが、「日報」という側面があるため社員の思考や苦悩が垣間見えます。
編集部スタッフが執筆した文章ではなく、ひとりひとりの社員が自分で書いた文章なので、ベイジの人たちの人となりや価値観をより感じられるメディアになっています。
日報という日々のタスクが採用活動にもつながるとあれば、社員個々のライティングスキルは上がりそうですね。
まとめ
これらの会社に共通しているのが、社外の人でも社内の雰囲気や就職後のイメージがつかみやすいメディアづくりに成功し、自社の価値観に合う人材獲得につなげられていることです。求人媒体や求人広告を入口として、自社の採用オウンドメディアでより深く紹介する、という導線をひいてみてはいかがでしょうか。
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