オウンドメディアは自社所有のメディア。つまり、自社完結の運用ができれば、事業計画に基づいたメディア戦略・コンテンツ制作・運用が可能になります。
しかし多くの企業でそうはいかないのも現実。
そこで活用されるのがオウンドメディアの運用支援を行っている会社です。
今回はオウンドメディア支援を視野に入れている方に向けて、どういったポイントをふまえて運用支援会社を決めればよいのかを解説していきます。
・オウンドメディアの運営で何が足りないのかがわかる
・運用支援会社を選ぶ基準がわかる
もくじ
運用支援が必要な会社とは
そもそもオウンドメディアを構築・運用していくには社内外含めた運用人材が必要です。まずは自社が今どういう体制でメディアを運営しているのか、もしくは立ち上げていくのかを把握することが必要です。
オウンドメディアの運用で必要な役割は主に4つです。
- プロデューサー(編集長)
- メディア制作人材(コーダー・プログラマー・Webデザイナー)
- コンテンツ制作人材(ライター・編集者・校正校閲者・グラフィックデザイナー)
- 運用人材(マーケター・ディレクター)
メディアのフェーズや規模によっても役割の人数は異なりますが、上記役割を担う人材がいない場合メディアをうまく成長させられないケースが出てきます。
それでは、それぞれの役割を見てみましょう。
プロデューサー(編集長)の役割
メディアの総指揮官であるプロデューサーは、オウンドメディアを運営していく目的を明確にし、達成のためのメディア戦略を作る必要があります。
メディアのあるべき姿を描いたあとに、タッチポイント形成のためのコンテンツSEOやCVにつなげるためのナーチャリングコンテンツなど、どうメディアを成長させていくかの戦術とロードマップを描いていきます。
制作部隊や運用部隊が向かうべきところを見失わないようにベクトルを合わせる重要な役割となります。
自社にプロデューサーしかいない場合
外部企業に支援をお願いする場合、戦略をしっかりと理解したうえで忠実に制作・運用してくれる支援企業が必要になります。
特にコンテンツ制作において進むべき方向とベクトルがずれてしまうと、あとあと大変になってしまいます。
企業理解、メディア理解をしっかり行ってくれる支援企業に入ってもらうのがよいでしょう。
メディア制作人材(コーダー・プログラマー・Webデザイナー)の役割
オウンドメディアそのものを構築するWebエンジニアや、メディアの雰囲気をデザインで表現するデザイナー。
SEO上必要な内部施策はもちろんのこと、マーケターと連携してメディアの成長フェーズに合わせたUI/UXの改善も必要不可欠になります。
自社にメディア制作人材しかいない場合
Webサイト自体の制作は重要ですが、エンジニアやデザイナーだけではメディアの運用はできません。
配信するコンテンツを制作してくれる企業や、向かうべきところをの道筋を立ててくれるプロデューサー的立ち位置、そして数値から読み取れる改修ポイントの指示を出してくれるマーケターの支援が必要になるでしょう。
コンテンツ制作人材(ライター・編集者・校正校閲者・グラフィックデザイナー)の役割
コンテンツマーケティングを行ううえで必須となるWebコンテンツの制作人材。SEO上重要な記事コンテンツやリード獲得で必要になるホワイトペーパーなど、戦略にもとづいて実行する重要な役割があります。コンテンツSEOの把握はもちろんですが、メディア戦略を理解しつつ、ユーザー心理を分析したコンテンツ制作が肝です。そのほかにもナーチャリングにつながるコンテンツの制作などさまざまな引き出しが必要です。
自社にコンテンツ制作人材しかいない場合
戦略=ゴールが描かれた地図がなければ、どんなコンテンツを作ってよいかがわからなくなってしまいます。また、配信したコンテンツの良し悪しを判断するためにも、プロデューサーとマーケターの領域を担う支援会社が必要になるでしょう。
運用人材(マーケター・ディレクター)の役割
メディアを動かしていくうえで要となる運用人材。プロデューサーが立てた戦略に対して、戦術としてWebマーケティングにどう落とし込むのかを考え、具現化しディレクションを行っていきます。
プロデューサーと兼務しているケースも多くありますが、分析力と判断力と段取り力を持ったマーケターは運用時の要となります。
メディアが今どういう状態なのかを分析し、次の一手を判断して段取りを組みながら進行していかなければいけません。
PVは伸びているけれども果たしてそれでいいのか。戦略を見直しながらメディアをあるべき方向に導いていく重要な役割です。
自社に運用人材しかいない場合
メディアの向かうべきところと、制作の実行部隊がいればメディアをまわしていけます。
戦略を立ててくれるコンサルティング系の会社や、配信するコンテンツを作る制作会社が必要になるでしょう。
運用支援の領域は人材によって決まる
メディアの運営はそれぞれの役割が車輪のようになっており、どこかが抜けている場合うまく走りません。
オウンドメディアを成功させたい企業側としては、何としても両輪でまわしたいものです。
既存社員のコア業務との兼務や、役割を担う人材採用を行う選択肢も考えられますが、採用コストのほか、育成の時間と労力がかかるのは承知の事実。
中長期で内製化を考える場合は人材を確保したいところですが、スピード感を持ってメディアを成長させたいというのが企業の本音です。
そこで、それぞれの役割を補うために、さまざまなタイプの運用支援を行っている会社が存在しています。
運用人材がどこまで揃っているかによって自社に必要な要素が変わってきますので、次はどのようなタイプの支援会社があるのかを見てみましょう。
運用支援を行っている会社のタイプとは
運用支援を行っている会社は大きく4つのタイプに分かれています。
支援内容もそれぞれ特徴があるので、自社にとってどういった会社が必要なのかをしっかりと見極めましょう。
Webコンテンツ制作がメインの会社
支援側で比較的多いのが記事作成サービスやホワイトペーパー制作など、コンテンツ制作に特化した会社。
多くの制作人材を抱えているため、スピーディにコンテンツを量産できるメリットがあります。
自社で戦略策定や運用ができる場合はパートナーとして向いています。
コンテンツ制作会社は、制作することに特化していますが、しっかりとした戦略の共有ができていない場合、意図しないものができあがる可能性もあります。
コンテンツの有効性が欠けてしまうと、本来の目的であるコンテンツマーケティングができず、本末転倒になってしまいます。
しっかりとメディア戦略を理解してもらってから取り組みを始めましょう。
コンサルティングがメインの会社
オウンドメディアやコンテンツマーケティングのコンサルティング会社は、メディアの立ち上げ経験も豊富で、さまざまなノウハウを持っています。
記事制作やメディアの改修、運用などの実作業はできるけど、戦略だけサポートしてほしいという企業に向いています。
内製化を目指す場合にパートナーとして参加してもらうと、社内のナレッジも溜まるため有効活用できます。
社内に制作、運用人材が揃っていない場合、実行自体ができないため宝の持ち腐れになってしまいます。また、コンサルティングを受けてから、さらに外部の企業に制作を依頼することも考えられますが、戦略のベクトルを合わせるのに時間と労力がかかるためあまりおすすめできません。
そして、よく混同されがちなのですが、SEOコンサルティングとコンテンツマーケティングのコンサルティングは別物なので注意が必要です。
SEOでトラフィックを伸ばすことはあくまで一つの手法であり、コンテンツマーケティングのゴールではありません。コンテンツの有効性を考慮し、会社にとっていかに有効な戦略が立てられるかが肝になります。
ツール提供(CMSなど)がメインの会社
主にメディア構築で必要なCMSなどのツールを提供している会社は、Webサイト制作ができない中小企業の強い味方です。
オウンドメディア運用に特化したCMSは、ソースコードを触ることなく、ある程度のUIUX改善ができるようになっていることが多いため、Web制作の内製化ができない企業は向いています。
ツールの提供は、オウンドメディア運用におけるひとつの要素のため、戦略から制作は自社の手腕にかかってきます。
オウンドメディアに特化したツールを導入したからといって安心してしまうのは危険。重要なのはコンテンツの運用なのでプラスアルファとして考えておくのがよいでしょう。
また、契約期間に縛りがあることも多く、メディアの移行作業で高額なコストがかかることも。契約内容をよく確認しておきましょう。
運営代行がメインの会社
戦略策定からメディアの構築、記事制作やSEO対策はもちろんのこと、運用改善も行ってくれる運営代行会社は、リソースが足りない企業にとって楽な存在。
戦略にもとづいたSEOコンテンツやナーチャリングコンテンツを使い分け、メディアをあるべき姿に導いてくれます。
競合の調査や効果の分析なども必然的に行ってくれるため、運用人材が少ない企業や、コア業務との兼務している担当者から重宝されます。
メディアのトータルサポートを行ってくれる運営代行会社は、他の部分的なサポートがある支援会社に比べてコストがかかります。
また、運営を任せるため社内にナレッジが溜まりにくい傾向もあります。ゆくゆくは内製化をしたいという企業の場合は、その運用ノウハウを盗むように密にコミュニケーションを取るのがよいでしょう。
自社にとって最適な運用支援会社を見極める
オウンドメディア支援の会社は、メディアを成功させるための大切なパートナーになります。
支援が必要な領域はどこかを把握し、自社にとって最適なパートナーを見つけてオウンドメディアを成功させましょう。
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