オウンドメディアを作ったものの、効果がいまいちわからない……という方もいらっしゃいますよね。オウンドメディアは、始めに長期的な戦略を練ることが必要です。ここでは、オウンドメディアの戦略における重要な5ステップと、成功事例を紹介していきます!
オウンドメディアにおける”戦略”とは何か
オウンドメディアにおける戦略とは、いわゆる地図みたいなもの。目的地に向かう際に、地図がないと迷ってしまいますよね。これと一緒です。オウンドメディアにおける戦略は、何が必要なのか、どういった懸念があるのかなど、事前に目的地までの道のりを明確にして、道筋を把握することが重要となります。
まずは現段階のざっくりとしたものでも構わないので、下記項目を決めていきましょう。
- なぜ
(例:広告に依存してるのを解消したい) - 誰に
(例:30代女性で、太ってきてしまい悩みを抱えてる人) - いつまでに
(例:1年後までに) - 何を
(例:主に運動に関するダイエットにまつわる情報を発信) - どのように
(例:メディアを作り、有益な記事を配信する) - どのくらい
(例:週に2本のペースで年間80本配信)
オウンドメディアの戦略で重要な5ステップ
オウンドメディアの概要を決めたところで、オウンドメディアの戦略は、どういったステップを経ていけばいいのでしょうか。ここでは、5つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:「市場調査」で市場全体の大きさや立ち位置を把握
まずは自社サービスが一般的にどういった立ち位置なのか、市場の大きさを把握しましょう。サービス自体、今後どういう動きをするのかによって戦略も変わってきます。競合他社がどういう動きをしているのかを理解することも重要です。販促、価格、ブランドイメージ、満足度など、市場を把握できてるほど最適なマーケティング戦略を練れるので、まずはサービスの市場調査を行いましょう。
ステップ2:「ペルソナ設定」で求めるユーザー像を明確化
次に、ターゲットとしているユーザー像を明確に設定しましょう。ターゲットにしている人物が比較検討段階の層なのか、課題形成前の層なのか、課題のレベル感によってもどういった戦略でいくかが変わってきます。比較検討であれば実際の事例やサービス紹介のコンテンツを用意したり、課題形成前であれば課題を形成するようなコンテンツの用意が必要です。まずは自社が求めるユーザー像を明確に設定するようにしましょう。
ステップ3:「KPI設定」でメディアの成長を可視化
KPI(Key Performance Indicator)を設定しておくと、目標達成までのプロセスを可視化できるので、メディアの成長度合いがわかります。まずはKGI(Key Goal Indicator:最重要目標達成指標)を設定し、次にKSF(Key Success Factor:主要成功要因)を設定、最後にKPIを設定すると、KGIから逆算した形でKPIの設定ができるので、いつまでに、どういった成長をするという指標を描きやすく、可視化できるようになります。
ステップ4:「サイトコンテンツ設計」でユーザーのニーズを洗い出す
サイトのコンテンツ設計の戦略を立てる際は、ユーザーのニーズを洗い出すことが必要になってきます。ユーザーは何が知りたいのか、どういった課題を感じているのかを洗い出してみましょう。キーワードツリーを作ることもおすすめです。キーワードツリーを作ることで、課題軸を洗い出すことができ、配信するコンテンツを整理することができます。
ステップ5:「メディア運用」でPDCAサイクルを意識して改善を繰り返す
メディアを運用する際は、Plan(計画)・Do(実行)Check(評価)・Action(改善)をいかに高回転で回していけるかがカギとなってきますが、Check(評価)・Action(改善)をおろそかにしがちです。GAやSCを使って現状の数値を見て評価をし(Check)、どうやったらよくなるか(Action)を分析して改善していくことが重要です。PDCAを高回転させて運用できるように意識していきましょう。
失敗しやすいオウンドメディアの例
ここでは、失敗しやすいオウンドメディアの例を見ていきましょう。果たしてどういった運用の仕方だと失敗しやすいのでしょうか?
運用目的があいまい
失敗してしまう理由として、運用の目的があいまいになっているケースが多く見られます。「上司から言われたから始めた」「スタートしたけど人手が足りなく、考えきれていない」「広告よりも費用対効果がよさそうだから」というように、運用の目的が不明確だと、配信するコンテンツやペルソナがぶれてしまい、うまくいかないケースがあります。目的・目標の設定はメディアを長く続けるうえで重要なポイントとなりますので、明確に決めましょう。
目標設定についてはこちらの記事で詳しく紹介しております。
コンテンツの質が悪い
コンテンツの質が悪いと、ユーザーの満足度が下がり、離脱率や回遊率など数字につながりにくくなります。数字につながらないと、メディアの存在意義を見出せずに、オウンドメディア自体をやめてしまうケースもあります。ユーザーにとって有益な情報であるかどうかは、質を上げるうえで非常に重要となりますので、作ったコンテンツ内容はユーザーの検索意図にあっているか、常に自問自答していきましょう。
ただし、クオリティを求めすぎて更新頻度が落ちてしまうのも問題です。クオリティを求めることはもちろん大事ですが、更新した記事をリライトしてブラッシュアップするという手段もあります。更新頻度とのバランスを考えていきましょう。
ニーズのない記事を書いている
自分たちの書きたい内容や、これは需要があるだろうと踏んだ記事が、実はユーザーにとっては需要がないケースもあります。あくまでもユーザー視点に立ち、サジェストワードや共起語、上位記事なども参考にしてコンテンツを作るようにしましょう。
オウンドメディアの成功事例3選
次に、企業のオウンドメディア成功事例を見てみましょう。
事例1:ラクスルマガジン
ラクスル株式会社が運営しているラクスルマガジンです。印刷・集客のノウハウや、お客様の活用事例まで幅広く更新しているメディアです。業種ごとなどに分けて細かく記事を更新しているので、ユーザー視点で見てもわかりやすいメディアと言えるでしょう。
事例2:サイボウズ式
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズ株式会社が運営しているサイボウズ式です。「こちらは新しい価値を生み出すチームのメディア」とうたっており、まずは自社のことを知ってもらい、何かしらの形で好きになってもらう、製品のPRはしない、といった形で運営されています。サイボウズ式により知名度もあがり、自社の採用にも一躍かっているメディアです。また、2019年のオウンドメディアリクルーティングアワードでグランプリをとっており、オンリーワンのメディアになっています。
事例3:Wacoal Body Book
株式会社ワコールが運営する”かしこくキレイなわたしをつくる”をコンセプトに運営されているメディアです。ビューティー&ヘルスからファッション、フードまで、キレイになれる要素が盛り込まれたメディアとなっています。カラフルなデザインだったり画像にイラストを使ったりなど、女性からみたら親しみやすい雰囲気なのもポイントですね。
まとめ
オウンドメディアの戦略は、各ステップにじっくり時間をかけて設計し、穴のないものに仕上げることが重要です。特にチームで運用する場合は、KPIやペルソナといった軸がぶれてしまうとサイトコンセプトからズレてしまい、運用が迷走してしまいがちです。失敗例や成功事例を参考に、オウンドメディアの戦略を考えてみましょう。