スマートフォンやパソコンを所有することが当たり前になっている現代社会。
多くの人は検索エンジンを利用して情報を得ることが多いため、「自社のWebサイトを検索結果の上位に表示させること」はとくに重要な施策となります。
そのためには、自社Webサイトの基盤となる「SEOの内部対策」を行うことが欠かせません。
では、内部対策にはどのような必要性があるのでしょうか。対策すべき項目とあわせて、以下で詳しく見ていきましょう。
この記事でわかること
・SEOの内部対策が必要な理由がわかる
・SEOの内部対策で対策するべき項目がわかる
もくじ
SEOの内部対策とは
「SEO」は「検索エンジン最適化」とも呼ばれますが、自社のWebサイトの内容を検索エンジンに理解してもらい、ユーザーにとって良質な情報であると認識させることが目的です。
近年は検索エンジンの性能が大幅に良くなり、検索クエリに応じて、ユーザーニーズに合致したWebサイトが上位表示される仕組みになっています。
SEO対策の種類
SEOには様々な手法がありますが、大きく2種類に分類されます。
一つ目はユーザー・検索エンジン双方に分かりやすいようサイト内部の改善、コンテンツの作成を行い、サイト自体の評価を高める「内部対策」。もう二つ目は、外部サイトからリンクを獲得し、評価を高める「外部対策」です。では、対策種類ごとに詳しく解説します。
内部対策
Webサイトに来るユーザーにとってわかりやすいサイト作りはもちろん重要なポイントですが、検索エンジンにとってもそのWebサイトの内容が理解できるものでなければ、検索結果の表示に反映されることはありません。 ユーザー・検索エンジンの双方に、サイト内のコンテンツ情報を正しく伝えることが、内部対策の要となります。次のセクション以降で内部対策について詳しく解説していきます。
外部対策
一方で外部対策とは、被リンクやサイテーションを増やし、外部サイトからの評価を高めるための施策です。 積極的に外部対策を推進している企業では、SNS運用を通じて、 外部リンクを設置させたくなるような仕組みを構築しています。ただし、ただ闇雲に外部リンクの量を増やせば良いというわけではなく、自社の内容と関連性が高いこと、もしくは著名なWebサイトであることなど、質の高い外部リンクであるように工夫しなければなりません。
内部対策が必要な理由
内部対策の目的は、検索エンジンにコンテンツの内容を正しく伝えること、そしてコンテンツの品質を高めること。
アルゴリズムアップデートなど、変化に耐えうる強いサイトを構築するためにも、内部対策が非常に重要となります。
そもそも検索順位を振り分ける方法としては、まずクローラーがWebサイトを巡回し、その情報が検索エンジンのデータベースに蓄積されます。
このデータをもとに、アルゴリズムによって順位決定した結果が検索結果に反映されるという流れです。
そのため、たとえ誰から見ても良質で信頼のおける情報が詰まったWebサイトを構築できたとして、クローラーがそのWebサイトを巡回し、質が良いものであると判断されなければ検索結果には反映されないのです。
外部の協力がある程度必要となる外部対策とは異なり、内部対策は自社のWebサイトのみで完結する領域です。こちらの努力次第で解決できる要素が多くを占めているというのも、内部対策が重視される背景の一つといえるでしょう。
まずはサイト内の情報を適切に伝えられる状態に整え、そのうえでコンテンツの質を高めていくというステップが欠かせないでしょう。
具体的なSEO内部対策方法
ここからは、内部対策の具体的な方法を見てみましょう。
クローラビリティの最適化
クローラーによるWebサイト内巡回や情報の読み取りやすさのことを「クローラビリティ」といいます。
クローラーに早くページを見つけてもらい、情報を正確に理解してもらえるようなサイト作りを行うことで、クローラビリティの向上につながり、内部対策においては重要な要素になります。
クローラビリティの最適化の方法については、以下に紹介していきます。
内部リンクの設置
内部リンクは同一Webサイト内に経由するリンクのことで、関連記事などに誘導させる際に役立ちます。
クローラーはリンクを辿ってページ内を巡回するため、内部リンクを設置することで隅々まで巡回させることができるのです。
内部リンクの設置に適している場所としては、bodyセクション内のパンくずリストや各ページ本文内のアンカーテキスト、サイド・フッターリンク、グローバルナビなどが挙げられます。
構造化データのマークアップ
ユーザーは文章から意味を理解できますが、クローラーは意味を読み取ることはできません。そこで、テキスト情報にメタデータを持たせることが必要で、これを「構造化マークアップ」と呼びます。構造化マークアップでテキストに意味や背景情報を与えることで、ページの内容をより正確に理解できるようになるのです。
マークアップの方法は、HTML上に直接行う方法と、マークアップ支援ツールを利用する方法との2種類があります。
URLの階層化
URLの長さがSEOの順位検索に直接影響を及ぼすわけではありませんが、あまりにも長すぎる場合はユーザーが今どこのページにいるのかがわかりづらくなります。そこで、Webサイト内のコンテンツを整理してわかりやすくカテゴライズし、階層化することが必要です。
トップページから何度もクリックしなければ到達できないような、あまりにも階層が深いページだと、クローラーが重要な情報ではないと判断してしまうこともあります。そのため、なるべくシンプルな階層でWebサイトを設計することが、クローラビリティの向上につながります。
エラーページの最適化
Webサイトを閲覧しようとしたときに、「ページが見つかりません」という表示がされることがあります。これはURLが間違っている、もしくは管理者によって該当のページが削除されていることを示すエラーページで、代替のページを表示できないときに表示されます。このようなリンク切れが起こった場合、ユーザーやクローラーはその先の閲覧や巡回をやめて離脱率を高めてしまうため、排除しておかなければなりません。
なお、WebサイトのリニューアルなどによってURLが大幅に更新される可能性がある場合は、リダイレクトを設定すると新しいURLへ引き継ぐことができます。
robots.txtの設定
robots.txtとは、Webサイトの特定のページにおいて、クローラーの巡回を拒否する命令を出す機能です。「クローラーの巡回がなくなってしまったらSEO対策にならないのでは」と考えそうなところですが、クローリング対象のURLを制限することで、重要性の高いページに優先してクローラーを誘導する効果があります。
そのため、会員制ページ・ログインページなど重要度が低く、サーバー側でエラー判定される可能性のあるURLは、robots.txt によって拒否しておくと良いでしょう。
インデックスの促進
インデックスとは、クローラーが巡回して得た情報を検索エンジンのデータベースに登録することです。
検索順位を正確に決定するためには、それぞれのWebサイトの情報が正しくインデックスされている必要があるため、以下のような方法で情報収集の促進を狙います。
ページタイトルの最適化
コンテンツの内容を一言で表現するページタイトルは、SEOにとって特に重要な情報の一つです。
ユーザーは検索結果に表示されたページタイトルを比較して、訪れるコンテンツを決定します。Webページのコンテンツに触れる際の最初に到達する情報なので、「いかにクリックしてもらいやすいタイトルにするか」と「本文の内容をいかに簡潔にまとめるか」という観点が重要です。
適切なタイトルとしては、表示が切れないように文字数を長すぎないこと。そして何よりも、対策するキーワードやターゲットへの訴求を適切に表現することが大切になります。
XMLサイトマップの送信
サイトマップは、その名の通りWebサイト内の構造をひと目でわかるようにするための地図のようなものです。
サイトマップには「HTMLサイトマップ」と「XMLサイトマップ」の2種類あります。
-
HTMLサイトマップの役割
- ユーザーへの利便性向上
- 遷移導線の簡略化
-
XMLサイトマップの役割
- クローラーにページを認識してもらいやすくする
- 新しく追加したページがインデックスされやすくなる
それぞれの役割を認識したうえで、対策を行いましょう。
インデックス登録のリクエスト
検索エンジンからインデックスされるまでの期間は、コンテンツの種類やWebサイトを公開してからの期間などによりますが、リクエストを送ることで期間を早めることができます。前述のXMLサイトマップを用いてURLを送信するのも一つの方法ですが、URL検査ツールを活用してリクエストを送信することも可能です。またURL検査ツールは、何らかの理由でインデックスされなかったURLの原因究明にも役立ちます。
URLの正規化
同じ内容のページが複数のURLにまたがってしまった場合に、検索エンジンから巡回してほしいURLを統一させることをURLの正規化といいます。検索エンジンはURLごとにページを評価するため、同じ内容のURLが複数存在すると評価が分散してしまうだけでなく、クローラーが必要以上にページ内を巡回する手間が発生します。
具体的な方法としては、リダイレクトを用いてURLを移行する、もしくはcanonicalタグを設置し、インデックスさせたいURLを指定することで正規化します。
ユーザビリティの向上
検索エンジンに向けた対策も必要ですが、Webサイトに訪れるユーザーにとって使いやすいWebサイトになるよう工夫しなければ、アクセス数が伸びることはありません 。ユーザビリティ向上によって、口コミなどでサイトの評価・知名度が高まり、外部評価をさらに伸ばすこともできるでしょう。
ディスクリプションの最適化
ディスクリプションは、検索結果を表示したユーザーがWebページのタイトルと併せて最初に目にする情報です。タイトルに込めることのできなかった情報をディスクリプションに凝縮して表示することで、どのページを見ようか迷っているユーザーに訴求することができます。
あまり長くなってしまうと表示されなくなるため、90~120文字程度にまとめることが重要です。また、検索語句をディスクリプション内に盛り込むと太字で表示されるため、ユーザーの目を引きやすくなります。
表示速度の向上(LCP)
コンテンツや情報が充実しているWebサイトを構築できたとしても、そのページの読み込みがあまりにも遅かった場合、どうなるでしょうか。ユーザーがコンテンツに触れることができずに、そのまま離脱してしまう可能性が高くなるでしょう。
ユーザーがクリック動作をしてからすぐにWebサイトを表示させるようにするためには、ページ上のリソース圧縮や読み込み遅延に対応させる、画像を最適化する、ブラウザのキャッシュを活用するといった対策を講じましょう。
反応速度の向上(FID)
ここでいう反応速度とは、ユーザーがWebサイトに訪れたときに、そこから最初に行ったアクション(リンククリック、テキスト入力、タップ操作など)をとってからの時間を指します。FIDが低下する要因として、JavaScriptが同時に多数実行されていることが挙げられるため、JavaScriptの量を減らす、Web Workersを使用するなどの改善策が必要です。
なお、スクロールやズームの操作はアニメーションに関わる操作なのでここには含まれません。
レイアウトの安定化(CLS)
画像や広告などWebコンテンツの読み込みがテキストやリンクの表示よりも遅れるといった理由で、Webサイト内のレイアウトが大幅に崩れて移動してしまうことがあります。このようにレイアウトがずれてしまうことを「レイアウトシフト」と呼びますが、検索エンジンはWebサイトの視覚的な安定性を測定するために、「CLSスコア」という基準を設けています。レイアウトシフトが少ないほどCLSスコアは0の数値に近付き、より安定しているレイアウトであると判断されます。
まとめ
検索エンジンの上位表示を目指すためには、今回紹介した方法以外にも様々なアプローチが存在します。クローラーの巡回を促し高い評価を目指すことも重要ですが、同時にWebサイトを訪れるユーザーにとっても利用しやすいものでなければなりません。SEO対策は成果が出るまでに時間がかかりますが、より多くの顧客獲得のためにコツコツと修正を重ねてみましょう。
弊社ではSEOの内部対策をサポートしております。
内部対策を進めたい、進めたいけどどうやったらよいかわからない・・・という方は、お気軽に弊社までご相談下さい。