Webサイトやページを検索結果上位に表示させたいとは誰もが思うことですが、それを実現するためには検索エンジンの仕組みやアルゴリズムを正しく理解し続けることが極めて重要になります。
この「理解し続ける」と書いたのは、今の検索エンジンのアルゴリズムを理解しSEO対策を行ったとしても、そのアルゴリズムは時間が経つにつれて更新されていく為です。
ではなぜ検索エンジンはアルゴリズムのアップデートを続けているのか。
各アルゴリズムのアップデートの内容をふまえてご紹介していきます。
もくじ
そもそも検索エンジンへの最適化をする理由とは
まず大前提として、企業は商品やサービスを販売するために集客を行います。そして、Webサイトに集客を行う手段として大きく各種広告(リスティングやネットワーク広告、リアル広告)や検索エンジン最適化(SEO)があり、目的や効率に合わせて手段を選択をしています。
広告で集客を行う場合にはWebのバナー広告(ディスプレイ)のようにクリエイティブで訴求してクリックしてもらう方法もあれば、リスティング広告のように検索キーワードに対してお金払い、上位に表示させてページに来てもらう方法もあります。
これらを実行する上でのテクニックは様々で、DSPやDMPを活用したセグメント配信やリマーケ配信など沢山のアドテクが発展し、より精度の高い広告配信が行えますが、広告を出稿する上で当然お金が必要になってきます。
上位表示は検索者とエンジンのお互いの満足度向上
一方で、検索エンジン最適化(SEO)については、検索結果で上位表示をしてもらうための対策となります。
大きく内部施策、外部施策とあり(ここの内容は非常に細かく量も多いので次回以降で触れていきたいと思います)これらの対策を行うことで、自社のサイトが上位に表示され検索ユーザーの目に触れる機会が増えていき、お金をかけなくてもクリックが発生しサイトに入ってきてもらうことができるようになります。
これらを一般的にはSEO対策と呼んでいますが、実は検索エンジンそのものも常に最適化を行っているのです。
それは検索者に対して膨大なコンテンツの中から、最も最適なページを上位に出し、最短で検索者の求めていることを解決し、検索ユーザーの満足度を向上させる為です。
その為には常に良いランキングのアルゴリズムでなければいけないので、日々サービスを改善、更新しているわけです。
そういった背景の中で重要になってくるのが、検索エンジンのアルゴリズムの変化と理解です。
検索エンジンのアルゴリズムの変化
検索エンジンの仕組みがどうなっているのかと、変化を理解することはSEO対策を行う上では必ず必要な知識になってきます。
なぜ変化を続けているかというと、先ほど記載したように、検索エンジンが最も大事にしているのは検索者であり、その検索ユーザーに対して最も適切なページを表示させるためです。
検索エンジンのアルゴリズムアップデートとは
時代の変化とともにテクノロジーが進化し、出来ることが増えてきているという点や、デバイスの変化による対応というのもあると思いますが、その他の背景としてSEO対策を行う業者の行いもあります。
というのも、このインターネットが基盤となってきている時代で、SEO対策を行い上位表示されるということは各企業のビジネス上非常に大きなインパクトを与えることになります。
よってこの対策を推進する事業者が多く存在し、クライアント企業のために様々な対策を行ってきました。
当然、それによる検索結果上の各ページへの影響は大きく、上位表示されているページが、本来検索者に届くべきコンテンツなのかどうかという部分で疑問視される場面が多々出てきてしまったのは事実です。
そこで検索エンジン側は、アルゴリズムのアップデートという形で、検索者にとってより良いサービスになるように変化を続けてきたというところもあるかと思います。
※あくまで推測です。
もちろんこういったマイナス要因だけではなく、時代の変化に応じたアップデートも実施されており、たとえば最近ではスマホが普及されモバイルファーストと言われるようになっているため、「モバイルフレンドリー」というアップデートが実施されていることも、検索者のことを考えると当然の出来事といえます。
そして私たちが検索エンジンの最適化を行う上では、これら全ての背景や要素をふまえたアルゴリズムの理解はとても大切な事になります。
検索エンジンの仕組み
まず検索エンジンの正確なアルゴリズムは誰もが知りえないことですが、数ある仕組みの中でもディープラーニングを用いた「RankBrain(ランクブライン)」というものはSEO対策を行っていく上で非常に重要な項目になるのでぜひ押さえておきたいところです。
RankBrainとは
検索結果(ランキング)の処理を行う為の一部を担っているGoogleのAI(人工知能)のことと言われています。
どういうものかというと、検索クエリ(検索者が実際に検索したキーワード)に対して、膨大なコンテンツの中から検索者にとってより最適なページを表示させる為のもので、検索する人が少ないクエリでもRankBrainの機械学習によってより良いと思われるページを判断し、結果に表示させることができるといわれています。
例えば、こんな検索をしてみました。
過去のキーワード重視の時代や、被リンク重視のアルゴリズムの場合は検索結果は全然違うものになっていたかと思います。
この検索者の意図をAIで解析し、一番最適だと思われているページが上位に来ているものと考えられます。
検索結果に表示されているページの中に含んでいるキーワードはもちろん大事ですが、表面的なものではなく、ページの中身がどんなコンテンツの内容になっているのか。所謂「コンテンツの質」がかなり重要になってくるということになります。
では、なぜこういったシグナルが重要視されてきたのかを過去のアップデートを確認していきます。
各種アルゴリズムのアップデート内容
Googleの検索エンジンアップデートは、名前の付けられた大きな規模のアップデートから、名前のない小さい規模のアップデートまで大小様々な更新がされています。
小さい規模のアップデートは、アナウンスされることもなくユーザーが気づかない間に行われていることが多いのですが、実は検索結果に大きな影響をあたえることもあるので、順位変動のアラートを確認出来るツールなどでキャッチしておくと良いのではないかと思います。
把握しておかなければいけないのが、名前のついている比較的大きなアップデートです。
2012年までさかのぼってみていきます。
ペンギンアップデート
2012年4月に導入された「ペンギンアップデート」は、ブラックハットSEOといわれる検索エンジンや検索者にとって良くないSEO対策を行っていたページの検索順位を下げて、その逆のホワイトハットSEOを行っているページの評価を上げる為のアルゴリズムの改善のことです。
このアップデートが実施される前は、あたかも被リンクが多く指示されているサイトに見せたり、スパムのような行為を行ったりと、検索エンジンを騙すようなやり方でもページが上位に上がってきていたのですが、このアップデートにより、ある程度は正当にコンテンツが評価されるようになってきたのではないかと言われています。
パンダアップデート
2012年7月に日本で導入された「パンダアップデート」は、質の低いコンテンツやユーザーにとって価値の無いページを判断し、検索結果に表示されにくくするために行われたアップデートのことです。
質の低いコンテンツとは、コピーされたコンテンツや、アフィリエイトばかりのコンテンツなど検索者があきらかに望んでいるものとは違うコンテンツが該当されますが、以前は「コンテンツ・ファーム」という、価値を与えていないコンテンツでも膨大な量になることによって、規模や権威などで上位に表示されていることもありましたが、これらのコンテンツを検索結果から除外することで、ユーザーの最適な検索を手助けする事ができるようになっています。
パイレーツアップデート
2012年8月に導入された「パイレーツアップデート」は、著作権侵害などの対策を強化するアップデートで、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいた著作権侵害の申し立てを専用フォームから受け付けており、その申し立てを多く受け取っているサイトの対応(評価を下げる)をするためのものです。
著作権侵害の申告を多数受けているサイトの評価を落とすことで、コンテンツホルダーの権利を守ることに繋がりますが、最近ではキュレーションメディアでこういった問題は浮き彫りになってきているため、Googleの対応含めて注目のアップデートです。
ハミングバードアップデート
2013年9月に実施された「ハミングバードアップデート」は、検索結果を自然な会話のように表示するためのアップデートです。
今までは辞書を引くようなワードで行っていた検索ですが、まるで会話で教えてもらうかのように検索結果を表示します。これらのアップデートが現在も継続して行われています。
そして、アップデートを継続的に行われるからこそGoogleの検索エンジンはたくさんの人が安心して利用しているのです。
ペイデイローンアップデート(通称)
2013年6月に実施された「ペイデイローンアップデート」とは、ローンやクレジット系、アダルト系など一部のキーワードに対して適応されたもので、コンテンツの品質やスパム排除のためのアルゴリズムです。
このアップデートが実施される前は、上記のような一部のキーワードでの検索結果はスパムサイトなども多く表示されてしまっていましたが、この更新で除外されるようになっています。
一般的なキーワードにはほとんど影響が無いアップデートといわれています。
ベニスアップデート
2015年1月に導入された「ベニスアップデート」は、美容室や病院など地域性が重要とされるキーワードを検索する際に、地名を入力しなくてもユーザーの位置情報を基に検索結果にも反映させることができるようになったアップデートです。
モバイルフレンドリーアップデート
2015年4月に導入された「モバイルフレンドリーアップデート」は、その名の通りモバイルで検索をかけた際に最適化されているページの検索結果が引き上げられるというものです。
自分たちのサイトがモバイルフレンドリーかどうかを確認するには、Googleのテストツールを使う事で確認をすることができます。
モバイルフレンドリーをテスト
上記の各種アップデートは、日々バージョンアップを重ねていますので、公式のニュースや各メディアが取り上げているものをチェックしてみると良いと思います。
SEO対策でやるべきこと
検索結果上位に表示をさせる為に、コンテンツはもちろんのこと、ソースの書き方や構造的な部分もありますが、
こういったアルゴリズムの歴史と内容を知る事でコンテンツの重要性がわかり、失敗しない為にやるべきことも見えてくるかと思います。
各アルゴリズムのアップデートの内容から、小手先のテクニックではなくコンテンツの質がいかに大事かが理解できるかと思います。
そして、今やコンテンツイズキングといわれ、コンテンツ無くしてSEO対策はできません。
ただし良いコンテンツを作るには時間と労力と知識が必要です。
質の良いコンテンツを作成したいという際に何かお困りのことがあれば、私たちでもサポートをさせて頂きますのでお気軽にご相談ください。
検索エンジンのルールを知りながら、より良いコンテンツを制作に励むことで、ユーザーとエンジンどちらからも好まれるページやサイトになるのではないでしょうか。