ホワイトペーパーは、読者のニーズに応える構成や種類など作り方に注目されがちですが、その後の効果まで追えていますでしょうか?
ホワイトペーパーは作って終わりのコンテンツではなく、しっかり効果を測定して改善を繰り返していくことが重要です。
そこで今回は、ホワイトペーパーを作成する効果とメリットを振り返りつつ、実施後の効果測定と改善方法について説明していきます。
今後ホワイトペーパー施策を実施する方からイマイチ効果が出ておらず改善したい方まで必見の内容になっているので、是非参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ホワイトペーパーに期待できる効果とメリット
- ホワイトペーパー施策の効果の上げ方
- ホワイトペーパーの効果分析のやり方と改善方法
もくじ
ホワイトペーパーに期待できる効果とそのメリット
ホワイトペーパーに期待できる効果は、主に以下の2つです。
- 課題の解決方法を伝えてユーザーの興味を引ける
- 的確な情報を伝えることで信頼を得られる
この効果によって企業が得られるメリットは、「リード数の増加」と「リードの育成促進(リードナーチャリング)」です。
まず、ホワイトペーパーに興味を持ったユーザーに的確な情報を伝えることで潜在的な顧客を獲得できます。また、抱えている課題に対するサービスの有用性も併せて伝えることで同時にサービスの認知を広げることも可能です。
他にもホワイトペーパーには、メールマーケティングや問い合わせ後といった既に接点のある見込み顧客に対して、商談を円滑に進めるための資料として活用することも効果的です。
顧客ごとに抱えている課題に合わせて解決策を示した資料を提供することで信頼感が生まれ、徐々に見込み度の高い顧客へと育成していくことが理想的なホワイトペーパーの運用方法です。
他にもホワイトペーパーの活用について知りたい方は以下の記事を確認してみてください。
【すぐに試せる】ホワイトペーパー施策の効果の上げ方
この項目ではホワイトペーパーの効果を高める方法をお伝えしていきます。
すぐに実行できるものばかりなのでイマイチ効果の出ていないホワイトペーパーがある場合は試してみてください。
注意点として、ホワイトペーパーの改善は「ダウンロード数を増やしたい」や「リード獲得は出来たが、その後の商談化が少ない」など課題によって行うべき内容が異なります。
しっかり効果測定を行って改善施策を検討したい方は、次の「効果測定のやり方」を参考にして頂ければ幸いです。
タイトルの変更を行う
ホワイトペーパーのタイトルは、訪れたユーザーがダウンロードするか否かを検討する際に最も重視される要素です。
そのため、内容を正しく伝えるだけでなく、ホワイトペーパーの魅力を伝える必要があります。
ポイントとしては、「”誰”のどんな”課題”に対する”解決策”を提示しているのか」を1つの文章として訴求することです。
例えば、製造業全体が抱える人手不足という課題に対して、その解決策にITツールを訴求する場合、要素はこのように分解できます。
誰に向けているのか | 製造業の管理職 |
---|---|
課題 | 人手不足 |
解決策 | ITツール |
タイトル例 | 製造業向け!業務効率×生産性が上がるIT活用のススメ |
CTAの最適化
CTAの最適化は、ダウンロード後の問い合わせがボトルネックとなっている場合に有効な改善方法です。
基本的にホワイトペーパーの最終ページはサービスに関する訴求の内容を記載しますので、同様のデザインや内容を使いまわしてしまうことが多いかと思います。しかし、必ずしもすべてのホワイトペーパーで共通した内容を訴求することが正しいわけではありません。
サービスの一部機能をピックアップした方が良い場合もありますし、事例をまとめたページへ遷移を促した方が読者にとって望ましいこともあります。
このように改めてサービス紹介をしているページを確認し、そのホワイトペーパーの流れからユーザーが次に知りたい情報がサービス紹介のページで良いのか、内容は的確なのかを考えてみましょう。
データ、情報を最新のものに更新する
ホワイトペーパーを作成する際、説得力を持たせるために市場データなどを活用することがありますが、その後の更新を忘れがちです。
例えば、令和に突入している現代で平成10年頃のデータを基に説明されても、その数字が今も参考になるのかが分かりません。また、変化の速い現代では既に間違った認識になっている場合も多々あります。
そのため、ホワイトペーパーの内容として使用するデータは適切なのか、最適な説明になっているのかを定期的に確認し、適宜調整を行うようにしましょう。もちろんデータの鮮度には作成する段階で注意する必要があります。
ホワイトペーパーの効果測定のやり方と改善方法
最後にホワイトペーパーの効果測定についてお伝えしていきます。
効果測定は大きく3つのステップがあります。PDCAサイクルを意識して繰り返し行いましょう。
効果測定の3ステップ
- 1.ユーザーのダウンロード前からダウンロード後の動きの中でボトルネックとなっているポイントを探す
- 2.ボトルネックとなっているポイントに対して、改善の施策を立てて実行する
- 3.後日、実行した施策の効果があったのか数値を確認する
効果測定を行うにあたっての前準備
効果測定を行うには、ホワイトペーパーに関わる数字をデータとして取得できるようにしておかなければいけません。
ホワイトペーパーはダウンロードして保存できるコンテンツのため、webサイトなどと違って正しい効果測定は難しいですが、URLを記載してwebを介したりQRコードを使ったりとデータの取得が可能な導線設計が求められます。
効果測定を行う際に意識したいファネル構造
取得した数値はユーザーの動きに合わせて整理しておくと、より効果的な施策を検討しやすくなります。
ユーザーの一連の動きが分かるのであればどんな形でも構いませんが、ここでは例としてファネル構造で紹介いたします。
どの段階でユーザーの遷移が離脱しているのかを測定した数字を根拠に見定めることが重要になります。
ここでは、ボトルネックになりがちなポイントとして以下の3つに切り分けて考えていきます。
- アプローチ数:各チャネルからダウンロードページへの流入数
- ダウンロード数:ダウンロードページでダウンロードされた数
- CV数:ホワイトペーパーからの問い合わせ数
「アプローチ数」がボトルネックとなるケースと改善施策
アプローチ数がボトルネックとなるケースは、そもそもの流入が不足していることになるので、アプローチ数を増やすか、今アプローチしている層の改善を図るのかのどちらか、あるいはその両方を行う形になります。
具体的な改善方法としては、アプローチ数を増やすのであれば広告の配信数を増やす、メルマガ配信を行う、自社SNSアカウントに集客力があるのであればSNS活用も視野に入れる。などの方法があります。
改善を図る場合は、広告配信によるCPCなどを基に配信先の最適化、サービスサイトや自社オウンドメディアで表示枠を広げたり、ポップアップを活用したりといった訴求を強める方法が考えられます。
自社の集客力と対応可能な範囲、予算等を複合的に考えて行う施策を検討してみましょう。
「ダウンロード数」がボトルネックとなるケースと改善施策
ダウンロード数がボトルネックとなるケースは、流入しているユーザーのニーズとホワイトペーパーの訴求がマッチしていない場合や掲載しているホワイトペーパーの魅力をうまく伝えられていない状況が考えられます。
上記のような場合の改善施策として、まずはホワイトペーパーの導線位置や訴求内容を変更して数字の変化をチェックしてみましょう。
ファーストビューから遠い位置にある導線を上部に移動させたり、訴求ポイントが分かりやすいバナーを導線にするなど、色々な伝え方を試してみる他ありません。
それでも変化がない、あるいは明らかにニーズと訴求がマッチしていない場合は、残念ながらホワイトペーパー自体をユーザーが望んでいない可能性があります。この場合は、改めてユーザーのニーズを抽出し、新しいホワイトペーパーの作成を検討しましょう。
とはいえ、新規でホワイトペーパーを作成するのは手間が掛かりますので、まずは既存のホワイトペーパーに差し替えて様子をみるといった、すぐに行える施策から徐々に大きな施策へと移行していく形が望ましいです。
また、新規でホワイトペーパーを制作する前に、データだけでなく営業担当へのヒアリングなど定性的な意見を集めてみましょう。
実際に読者の声を聞いている営業だからこそ感じている懸念や数字からは見えなかった改善施策が出てくるかもしれません。
「CV数」がボトルネックとなるケースと改善施策
CV数がボトルネックとなるケースは、ホワイトペーパーの内容に満足していなかったりイマイチサービスの有用性が伝わっていないなど、ホワイトペーパーを読んだ際の体験に課題がある場合が殆どです。
上記のような場合の改善施策は多岐にわたります。
具体的には、タイトルが内容と一致していない、内容とサービス紹介の訴求が合っていないなどが考えられます。
改善施策を見つけるおすすめの方法としては、社内の複数人でレビューを行う方法です。
その中で読者を問い合わせまで導けていない要因を洗い出し、具体的な改善施策に落とし込んでいきましょう。
また、注意しなければいけないこととして、そもそも問い合わせまで繋がりづらいホワイトペーパーの可能性がある点です。
一概には言えませんが、一般的に課題解決に役立つチェックリストや開催したウェビナーの資料データなどは、問い合わせまで繋がりづらいホワイトペーパーの部類です。
このようなホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、ホワイトペーパー自体の中身を見ることが目的になっている事が多く、問い合わせまでは中々繋がらない可能性が高いのです。
しかし、こういったホワイトペーパーを作るべきではないというわけではありません。リード獲得や自社認知の向上という面ではとても効果的なホワイトペーパーです。求める効果と内容が合っていないだけなのです。
まとめ
既に存在しているホワイトペーパーの改善方法をお伝えしてきましたが、効果を高める一番手っ取り早い方法として多種多様なホワイトペーパーを用意することです。
ホワイトペーパーの種類が少ないうちはアプローチ数やダウンロード数にも限界がありますし、広いターゲット層に向けたホワイトペーパーは訴求力が弱くなる傾向にあるからです。
また、幅広い層に対して適切なホワイトペーパーを用意することが出来れば、商談時の武器としても活用できます。もし「ホワイトペーパーの種類を増やしたい」や「どのようなホワイトペーパーを増やせばより効果的なのか相談したい」などございましたら是非弊社にお声がけくださいませ。