数年前から注目されはじめ、今もなおトレンドとして伸び続けているオウンドメディアですが、成功しているメディアとそうでないオウンドメディアが分かれてきています。
今回は、トラフィックを集めて広告でマネタイズしているメディアではなく、自社の商品やサービスの見込み顧客を獲得する為のオウンドメディアを運営している方向けに、成功と失敗の違いは何なのかをチェックポイントをふまえて解説していきます。
もくじ
1.オウンドメディア戦略に一貫性はあるか
オウンドメディアという言葉だけが先行してしまい、導入しなければという思いでただメディアを立ち上げて、いろんなコンテンツを配信したけど結果うまくいかなかった。
というケースでご相談頂く事がありますが、正直これでは失敗の確率の方が高いでしょう。
最悪なのが迷いに迷って自己満足にも達していないところです。
これでは何の為にメディアを立ち上げたのかがわからなくなってしまいます。
オウンドメディアを立ち上げる際には必ず「誰に」「何を発信する」のかをしっかりと設計しそれに対しての一貫性を持たせなければ、なんでもありのまとめサイトと変わらなくなってしまいます。
オウンドメディア戦略の成功で重要なポイント
- 誰に対して発信するメディアなのか
- その人に対して何を発信するのか
- そして発信したコンテンツで何を理解してもらいたいのか
メディアのコンセプトは企業理念のようなもので、このメディアといえばこれ!という一貫性が無いものはなかなかユーザーもついてこられないでしょう。
制作する上で重要なポイントはこちらの記事で解説しています。
2.コンテンツは誰かの為になっているか
よく良質なコンテンツが重要だと言われていますが、言い換えるとそのコンテンツは誰かの為になっているのかということになります。
コンテンツの品質を向上するうえでチェックするポイントを挙げておきます
- 専門性やオリジナル性はあるか
- 記事の内容はわかりやすくなっているか
- 具体性はあるか
- 一貫性はあるか
- 見出しの活用などで文章の構造がわかりやすくなっているか
WEBコンテンツの傾向としてこれらを網羅出来ていると、結果的に記事の滞在時間が増え、直帰率も下がり、被リンク数が増え、シェアの数が増え……
と良い循環が出来てきます。
そもそも「誰かの為になっている」ということは、その「誰か」のその時の状況や環境、期待や不安にコンテンツがマッチしてしっかり届けることが出来ているということになります。
よって、コンテンツを届ける上で大事なのは、その「誰か」とは一体どんな人でどういう環境、状況にいる人なのかが見えてこなければ、キーワードも選定出来ませんし、コンテンツの深堀も出来ません。
たとえば、ベッドを販売している家具屋さんが発信するコンテンツの例です。
Aさん:寝心地最高のベッドが欲しい
Bさん:朝起きた時の腰痛を改善できるベッドが欲しい
この二人に対してどちらもコンテンツを作ることはできますが、具体性があるのはあきらかにBさんの方です。
具体性がある為にその人の背景(心理)を読み取りやすく、検索の意図もわかりやすいため、コンテンツにも落とし込みやすくなります。
よってペルソナの設計は非常に大切になってきます。
そもそも検索をかけるということは何かしらの理由があり、その意図を汲むからこそ良いコンテンツが作れるようになるので、ただの日記のような記事ではほとんどの読者は満足してくれないと思います。
これは一部の例ですが、質の高いコンテンツというのは誰かの何かを解決する為のものだけではありません。
私たちが考える良いコンテンツとは、見た人に対して「何らかの感情を動かせるもの」だと考えています。
「困っていた事が解消された!」という解決。
「こんな方法があるんだ!」という発見。
「これおもしろい!」という刺激。
「こういう場合はどうなんだろう!」という欲求。
など、より多くの人の感情を動かせるものが良いコンテンツだと考えています。
▼コンテンツ制作のノウハウはこちら詳しくご紹介しています。
オウンドメディアコンテンツの成功で重要なポイント
・ペルソナの心理や検索意図に合ったコンテンツを提供する準備が出来ているか
誰に届けるべきかを把握した上で、コンテンツの見直しをしてみるのはいかがでしょうか。
3.分析を基にした運用が出来ているか
オウンドメディアの運用では記事の配信を行い、それを基に集客をしていくケースが多いですが、
まずはKGI、KPIの設計をする必要があります。
各企業によって導入する目的は様々ですがKGI、KPIを定めてそれに対して出来ているか出来ていないかの検証と
出来た場合はなぜできたのか。出来ていない場合はなぜ出来ていないのか。を行うことが重要になります。
メディアはユーザーありきなので、うまくいかないことも多いですが、変化をとらえるためには分析と改善は必要不可欠になります。
Googleアナリティクスで見るKPIの指標
- ページビュー数(PV数)
- ユニークユーザー数(UU数)
- セッション数(UU数)
- 新規ユーザー数
- リピーター数
- 直帰率
- 滞在時間
- CV数
Search Consoleで見るKPIの指標
- キーワードの検索結果順位
- キーワードの表示回数
- キーワードのクリック数
- インデックス数
- リピーター数
その他のKPIの指標
- Facebookいいね!数
- TwitterのRT数
- はてなブックマークの数
これらは一つの指標となるものなので、各メディアと成長段階のタイミングに合わせてKPIを定めていくのが良いと思います。
4.CTAはしっかり設計出来ているか
目的となる項目へ誘導を流す為に重要なのがCTA(Call to action)です。
目的は各メディアによって変わってきますが、その多くは下記になります。
- お問合せ
- 資料請求
- 別ページ(ランディングページなど)への誘導
- 会員登録
ただユーザーを集めるだけではなく、オウンドメディアの役割を明確に持ち、そのゴールへ導くための大事なものになります。
このCTAの表現方法はバナーや記事中のボタン、ポップアップで出るものなど様々ありますので、各メディアの内容に沿った内容やコンテンツの流れを汲んだクリエイティブで訴求していくのがベターです。
運用との関連性は高い項目になるので、しっかり検証を行い数値の良し悪しを判断してみて下さい。
5.リード(見込み顧客)は獲得出来ているか
導入目的を達成させるためにCTAの設置や改善なども大事になってきますが、その目的がなぜあるかというと顧客化をしたいからです。
顧客化をするためには、いかに見込みの高い顧客を集めるかというところが大事になってきますが、運用の中で実際出来ているのかも検証していく必要があります。
その際にお問合せフォームや登録などの遷移はストレスなく実装されているか、フォームの内容も適切になっているかなどを見直してみると良いと思います。
また、リード管理や育成という観点でマーケティングオートメーションも導入し、メールマーケティングなども含めて自動化するという事も出来ますのでうまく活用してみて下さい。
オウンドメディアを成功させるために
オウンドメディアをはじめたけどうまく運用出来ていない方は、これらの項目をぜひチェックしてみて下さい。
各業界によっても数値の基準は変わってきますが、運用の中での目標数値に対しての乖離や変化などチェックし、
運営にお役立ていただければと思います。
▼成功に導くための社内体制作りは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。